きらきらしたものを集めたい。

主にジャニーズ、たまにアイドル。/絶賛事務所担進行形 → 主にK-POP、たまにジャニーズ、たまーーにアイドルへ移行したみたい。。

寄り添ってくれる優しさは心地よいだけではなくて。

J-POPとして、何よりも「メッセージが伝わる楽曲」を重視して作られたであろうひとりじゃないという楽曲。これまでの日本の楽曲の中でも圧倒的にボーカルを前面に出した音のバランス。これまで以上に聞き取りやすい歌詞。とてもよくできたJ-POPで、彼らが目指したものをしっかりと形にしたものだと思う。日本でSEVENTEENを聞いている人たち、中止となったドームツアーを楽しみにしていたであろう人たち、それだけでなくSEVENTEENを知らなくてもこの状況に孤独感を感じている人に向けて、ひたすらに寄り添うための曲。その明確な優しさと高い精度で作られた楽曲に対して、ひとりひとりの歌の力強さに対して熱量を持ってディレクションされたであろうこともわかる。バーノンさんの「思い出の中」のパートからの展開にエモーショナルなものを求めたであろうことも伝わるし、その展開がとても良かった。

その完成度の高さを理解した上で、その優しさと高い精度に、自分がJ-POPの一部に対して抱いてしまっている感情を直視させられる形になってしまった。わかりやすさを重視して作られていることへの「面白くないな」という感情。

 

日頃SEVENTEENの楽曲に対して感じている楽しさが、精度の高い分析によって、彼らの手できれいに削ぎ落とされてしまうこと、その彼らの意思と手法の正しさに、戸惑ってしまっている。

シングルのカップリングとして、Run to YouとHOME;RUNが入っているので、その体裁の違いがより際立つ。

Run to Youは発表当時、「日本のアニソンだ」と世界中が認識した楽曲だった。でも、ひとりじゃないから続けて聞くと楽曲の展開、メロディラインはアニソン構文だけど、跳ねるようなパート、主張の強いギター、ベースラインにやっぱりオケの音は今の日本の楽曲のそれではなくて、SEVENTEENの楽曲なんだよな、と感じられた。

HOME;RUNは日本語になっても圧倒的に楽曲の楽しさで、歌詞がどうであっても、ひとつのバリエーションとしてなんでも楽しい。歌う側は大変だろうけども、正直HOME;RUNくらいにもう楽曲の強さがあれば、日本国verの違和感など感じる隙もないんだなと実感する結果になってしまった。

 

当たり前だけど、J-POPが全て面白くないわけではない。最近関ジャムでやっていた「関ジャムJ-POP20年史」、2000年から2020年のヒット曲の中からプロが選んだ名曲ベスト30を見ていても改めて思う。面白い楽曲もすごい楽曲もたくさんある。トンチキといわれるいろんな音楽の要素をつぎはぎした楽曲や、ぶっとんだ世界観の歌詞の楽曲も、King Gnuのようなボーカルのテクニックと楽曲構成で圧倒的な存在もある。

ただかつて同番組で福山雅治が話していた楽曲制作についての話が忘れられない。テーマにもよるけど、カラオケで歌いやすいように音程の幅があまり広くならないように配慮したり、最終的なミックスはiPhoneのイヤフォンでの聞こえ方を重視したり、という追体験しやすい、馴染みやすさを重視した制作。今はそれがより極端なものになり、誰でも手軽に"歌ってみた"ができる楽曲がひとつの潮流になっているんだろうと思う。そこにはわかりやすいメロディーと歌詞だけが必要で、オケは簡単な打ち込みか弾き語りでいい。そこには音の質も厚みも必要ない。拡散された楽曲の断片を聞くだけで原曲の音源を聞くことすらないから。それがカルチャーとしてひとつの形であることは理解しているけど、現状自分はそれを好んで接してはいない。もちろんこれがごく一部の潮流であることは理解している。(ひとりじゃないがココを目指してるものとは思っていないけど。)

そして別の潮流として、アイドルを中心にK-POP的なアプローチの楽曲がものすごく増えている。分かりやすく言えばラップパートがありダンスブレイクがあるようなドゥンバキ楽曲たち。日本のアイドルたちがK-POPをなぞり、SEVENTEENはJ-POPのアイドルの潮流とも違うゾーンをなぞる。それを面白いとは思うけど、わたしにとっては"心地よい"かといえば違う感情だなと思う。日本だけ恋愛っぽい楽曲に終始されるより全然嬉しいのは確かなんだけど。

 

当たり前に今回も「すごい」が前提で、ひとりじゃないというメッセージを届けようと形にしてくれたことに対しての感謝の気持ちもある。はからずもメンバーの過去に対して実在しないことを書かれ、検証の期間表立った活動を自粛するという事態があった。*1その期間も「ひとりじゃない」という楽曲による彼らからの言葉に救われていたし、安心して待てた。そういう意味でも本当にありがたいなと思っている。

彼らの事務所は丁寧に検証を重ねて、

「当社は誰かの記憶のみに依存し、特定の事件が発生したという主張がネット上に公開され、記憶がはっきりしないということで終了する流れになったことに困惑しています。今回だけでなく、以前確認されたこと全てが、アーティストとは関係がないことが確認できたのは幸いですが、この主張によって関係者をはじめ、さまざまな人が多かれ少なかれ心に傷を負い、それに対応するために多くの時間と努力を費やさなければならないことをどこまで耐えなければならないのか、悩んでいるのは事実です。」

と怒りを露にした上で、

「それでも当社は、投稿者と話し合う過程を通じて、投稿者がアーティストとは別に、学生時代の交友関係でさまざまな傷を負った方であると考えたため、今回のことについては別途の措置を取らず、事実関係を明確に確認したことで終わらせることにしました」

と発信した。*2

彼らは、悪意を持ってメンバーの名誉を傷つけようとしたであろう人間に対して、謝罪や賠償金を要求することも出来るであろう状況で、その行動に至った根幹にある痛みに寄り添うことを選んだ。だからこそ、彼らのこれまでの発言も、「ひとりじゃない」という楽曲のメッセージも、絶対的に信じられると思った。これまでも、これからも、自分達が例え傷つくことがあったとしても、そのダメージはメンバーや家族が寄り添い癒していくことが出来るという自信があり、うわべではなく人の孤独や痛みに寄り添うことを選ぶ人たちだ。

 

だからこそ、ちょっと心のささくれに刺さってしまった。これはアプローチのひとつ、なのは理解しているけど、SEVENTEEがわざわざこんなところまで来てくれなくてもいいんだよ……という気持ちになってしまった。まぁ長く書いてるけどCALL CALL CALL!厨のぼやき。

 

ちなみにちょうど4月にリリースされたK-POPグループの日本オリジナル楽曲には他にもいろいろあるのでついでに。

Film out

Film out

同じレコード会社のBack Numberとジョングクさんの共同製作とのこと。*3Back Number感もちゃんとあるけど、違和感があるわけでもなくちゃんとBTSの曲としてまとまってて、ジミンちゃんの高音が本当にいい。

本国の世界観に沿った楽曲たちでとてもいい。ノスタルジックさファンタジーさというところがグループの個性としてしっくりする。Cinemaの日本語verもよかった。声と楽曲が本当に合うトーンの作品なのが最高。

 

Apple Musicだと何曲か配信されてないけど、日本のアルバム。オリジナル曲がたくさん収録されていて、個人的には特に最後の3曲の爽やかな仕上がりの楽曲たちがすごくいい。ドゥンバキマッチョのトーン*4ではなく、色気がありつつ爽やかなんだけど、それがしっかり消化されてると感じる。強いだけじゃない彼らの表情を伝える楽曲になっていると思う。NEO UNIVERSEとかしっかりとしたJ-POPアイドルソングでアンコール1曲目に最高の曲で本当に好き。

 

改めて、日本でリリースされる楽曲がただの日本語verだけの時代は本当にもう終わるんだなと思う。もう日本でのリリースだけが日本語という時代でもないという言葉も見た。大きな商圏に対して楽曲ごとローカライズしてリリースする、英語圏に向けてのリリースは英語のオリジナル曲で、もうそういう時代らしい。すごい。

*1:https://news.kstyle.com/m/article.ksn?articleNo=2163347

*2:https://news.kstyle.com/m/article.ksn?articleNo=2164812

*3:ベストアルバムが出るとのことで、ユニバーサルを離れてHYBEとして日本でレコード会社をつくる動きな気がするので、そのための置き土産的なコラボかなぁと思う。

*4:モネクはドゥンバキというよりマッチョなんだけどドゥンバキを乗りこなす男達なのでいい意味です。