きらきらしたものを集めたい。

主にジャニーズ、たまにアイドル。/絶賛事務所担進行形 → 主にK-POP、たまにジャニーズ、たまーーにアイドルへ移行→主にLDH、そこそこK-POP、たまにジャニーズ、ちょっと坂道に移行したみたい。。

2018年のMnet Asian Music Awardsの話【後編】

書き始めたらあまりの長さに初めての2部構成となりました。

2018年のMnet Asian Music Awardsの話【前編】 - きらきらしたものを集めたい。

ここからはBTSさんです。今回語りたいのはまずBTSさんです。MMAのIDOLをまず見てほしい。見てほしい。

INTRO + IDOL BTS @Melón Music Awars (MMA2018) FULL HD - YouTube

それまでの出演者、それまでのパフォーマンスを全て前座にしてしまう圧倒的な演出。1回のアワードのために作られたこの1曲の演出。リアルタイムで全世界へ配信されるアワードのステージ*1で、1年の大半をワールドツアーで世界を周り、アメリカで賞を得て、世界的に注目をされているところで、この自国の伝統芸能を反映させた演出。これがBTSのやり方だ…これがワールドワイドのビジネス戦略……とシビれずにいられない。

というMMAの余韻が結構な日数経っても残ってる中でのMAMAです。

日本でのステージにどれくらい仕込みが出来たのか、どういう演出でIDOLをやるのか…といろいろ考えていたらFAKE LOVEだった。VCRの間にステージを包むようにエアーで手が膨らんでいき、この手があったか……(手だけに)と思った。VCRも、INTROパフォーマンスも日本の演出の人がやってたりします?VCRはとりあえずカット割りとか質感とかが日本ぽいな…と思っていますが…

BTS_INTRO Perf.│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

BTS_INTRO + FAKE LOVE│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

テテちゃんから始まる曲ではあるけれども、途中のアレンジからの世界はもうホープさんとジミンちゃんだった。マリオネットなホープさん、たくさんの手にのまれるジミンちゃん、道化としてのアイドル、闇に飲み込もうとするたくさんの手。解放してくれるのはメンバー…みたいな場面に受けとりました。

VCRからも仮面、闇(病み)をテーマにしたパフォーマンス。MMAのような派手な演出はないものの、凄みがある。圧倒的な重さのFAKE LOVEから繋ぎのVCRで仮面から解放されて宇宙へ…そしてはじまるスペーシーなAnpanman。日本ならではの選曲だしもう完全にワンマンライブのアンコールだった。通常のアワードであんなにふわふわしてるRMさん見れます?もはや日本はホームとして振る舞える場所、なのかもしれない。

BTS_INTRO + Anpanman│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

そんな日本でのパフォーマンスの後の香港MAMA。さぁて今日のBTSは何を見せてくれる?と思ったらオープニングからRMさんの独演。そこからもう伏線で、最後のパフォーマンスのVCRにつながり、RMさんが階段を上り、FAKE LOVEという言葉に撃たれるメンバー。そして暗転し「WE ARE IDOL」という宣言。

BTS(방탄소년단)_Intro VCR + O!RUL8,2? LY Remix│2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

BTS_IDOL│2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

そしてとてつもなくシンプルな形ではじまるIDOL…。感服だった。伝統芸能を取り入れた派手なパフォーマンスから始めたIDOLとアイドル宣言して自分たちのパフォーマンスからはじめたIDOL。どちらもアプローチとして完璧で、MMAからのアワードの流れをまとめあげてしまった。

わたしはBTSというグループのビジネスショーイズムが好きだ。彼らは若い体にものすごく大きなビジネスを背負っている。あんな背負い方、本当にそんじょそこらの人間では無理だ。自分たちのメッセージを広く届けるために、大きなビジネスにしていくために、アワードのステージに圧倒的な演出を作り込む。既存のファンではない層に見せつけるための労力を惜しまない。そりゃArtist of The Yearですよ。と思う。2017年に1度コンサートを見て、MAMAが1年半ぶりだったけど、本当に全く表情のちがうグループになったと感じてしまった。香港で涙を流したJ-HOPEさん。去年と今年で印象が本当にちがう。今年のJ-HOPEさんは凄く人間だったし、迷いが1ミリも感じられなかった。腹の決まりかたがすごい。もはやRMさんの方が青年としての若さやはつらつさを感じるくらい…そこまでの腹の決め方をしたからこそのあの涙なのかな…ジミンちゃんもすごく生き生きとしていたしヒリヒリした。ノッてるジミンちゃんの動きは性別がなくなる印象で、とても気迫は男性的であり動きのしなやかさは女性的でもありパクジミンという性別みたいな印象でした。やっぱりジミンちゃんのパフォーマンスは正面から見るのが1番いいな。

あと、香港MAMAのパフォーマンスで印象的なのはAirplane part.2で長い花道をひとりで歩いてマイクをとるジョングクさん。本当にかっこよかった…ほんと背負えるセンターで揺るぎない。もう本当に今のジョングクさんてステージの上での表情にブレがなくてグループの軸だなぁと思う。

BTS(방탄소년단)_INTRO Perf. + Airplane pt.2 │2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

 

余談ですけど、ワナワンの時に、クァンリンのパンツが崩壊していって、そのあとのBTSはやっぱりパツパツの革のような素材のパンツで踊っていて、あの動きを受け止められて、そしてぴったりとフィットしている。あの素材本当に何か特殊技術で作られてたりするのかしら…というのがずーっと気になっていることなのでどこかであの生地について詳細が語られた際にはお声かけいただきたい…。

 

そして、香港MAMAのステージに立つSEVENTEEN

ワールドツアー、アンコンが終わり、用意してきたステージは夏の楽しいオチョナからの闇落ち展開のFlowerではじまる世界観。今までアワードでは多分見せてこなかったSEVENTEENのひとつの側面。銃で撃たれていくFlowerのメンバー。まさか?と思ったらダンサーの足音と共にはじまるナルスゴガラ。黒髪黒衣装のホシウジ*2。IDEAL CUTツアーで一瞬でファンを殺したこの曲をアワードで披露してくれたのは本当に嬉しい。

SEVENTEEN_Oh My! + Flower│2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

SEVENTEEN_Bring It│2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

そしてVCRを挟みセンターステージには13人の黒いシルエット。そして始まる新曲スミチャ。

SEVENTEEN_INTRO + Getting Closer │2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

アワードでは見せてこなかったSEVENTEEN、どころかファンでもここまでの雰囲気は見たことない。かっこよかった。心底かっこよかった。去年のNU'EST WとのHEAVENのときも凄かったけど、初披露であの仕上がりって尋常じゃない。タイミングが少しでもずれれば一気に崩れてしまうバランス。CALL CALL CALLもすごいんだけど、でも半分くらいのメンバーがステージ袖にハケるタイミングがある。でもスミチャはそのタイミングもなく踊り続ける。しゃがんでいる場面でも腕立てのような動きをしていたり、肩で息をするような動きをしていたり、本当に全ての場面において動きを徹底的に入れている。曲の世界観を表情も含めて徹底するセブチなので、表情が本当にいい。そういうなかでミンギュが後半少し笑っていて、ハードなパフォーマンスにハイになっちゃったのかな?と思ったら後日公開されたMVでも同じところで笑っていてゾゾゾとした*3…ダークコンセプトを体現するときにはやっぱりチョンウォヌの存在感が圧倒的なインパクトファクターになるんだな…改めてオチョナのキーマンとして配置されてたのはこの流れありきだよなぁとなるので、本当に毎回の伏線の凄さにゾクゾクするし、スミチャで終わりではなくてここからまた違う角度へ進むか、このスミチャの前後に進むか、楽しみですね…

 

香港MAMAのパフォーマンスを見て、改めてSEVENTEENはあまりに実直だ…と思っていたりしています。

SEVENTEENはステージでのパフォーマンスに対して本当に実直で、実直で実直。スピーチは雄弁ではなく、多くの苦労を語ることは好まず、ただひたすらパフォーマンスと楽曲で表現を届ける。*4

すごく正直にいえば多分あんなに精度を高めなくても圧倒的な雰囲気は出せる。だけど彼らは自分たちが納得できるまで圧倒的な精度でパフォーマンスを作り込む。そのためにいろいろなアプローチでメンバー間の意識を揃えていく。それが多分SEVENTEENのプライドで、そこを嫌がる人がいたとしたら今のSEVENTEENはないし、そもそもSEVENTEENにはいられない。

そのSEVENTEENの実直すぎる実直さは、少し歯痒くすら感じることがあるけれど、彼らはそのやり方が損をすることがあることも理解して選んでいる。ヒポチの「空き家でトロフィーをもらって嬉しいか」みたいな歌詞*5からも、理解して選んでいるのがわかる。苦労をしてでも、実直である道を選んでいるということにシビレてしまう。自分がSEVENTEENに感じている魅力の大きい部分はそこなんだろうなぁっていう再確認をしてしまった。

 

本当に、BTSが進む道も、SEVENTEENの進む道も興味深い。どちらもとてつもなく強い覚悟と意思で進んでいて、全く選択が違うからこそ面白くて、それを同時に体感できる今が本当に楽しいんだなーーーっていう2018年のMAMAでした。

 

感想書いてて、今年はSM出てないのにこの濃度だもんなぁとしみじみしてしまった。SMだって今年も濃いのになぁと思うけど、SMだけでも濃すぎてSMTになっちゃうのもまぁ確かなんだよなぁ…でも個人的にはスミチャとblack on blackの一騎討ちみたいの見たかったですね、なんて。

来年こそは香港MAMAかMMA行きたいですね。生で体感したい。*6

*1:とはいえMMAは公式のアーカイブ残されないみたいだけど

*2:2人が同時に登場っていうのも初めてなのでは?

*3:ぶーちゃんも笑っているところあるし、ディノちゃんが口を拭うのも多分演出

*4:なんか、そういう謙虚なところが日本ウケするのかな…なんて思ったりもしていたりする。

*5:チャート強者がいないタイミングを選んでリリースする

*6:多分去年も書いた

2018年のMnet Asian Music Awardsの話【前編】

2017年に引き続き日本でのMAMAを見てきた話と、香港MAMAの話です。ソウルのMAMA全部は見れてないんですね、若手大集合でなぜかけやき坂が呼ばれた*1ので個人的にはソウルもめちゃめちゃ行きたかったですが………

ともあれ、日本MAMA!今回はさいたまスーパーアリーナ!さいたMAMA!

今回はSM勢が不参加、セブチは香港のみ、とはいえ直前でスキズが日本にも来ることが発表されたので主にスキズを楽しみに、そして何よりMAMAでのBTSを生で見れることを楽しみ行きました。

日本MAMAはオープニングステージだけコラボでカバー曲をやったりしましたが、あとは基本的にコラボとかもなく出演アーティストもわりと少なかったのでそれぞれのアーティストのステージが長めでそれはそれでよかったですね。出てないのにSMの曲をカバーしてくれたりしたのでありがとうの気持ち…

Stary Kids_Overdose + Growl / EXO│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

 

オープニングステージのあとはスキズが1番手なわけですが、めっっっっちゃかっこよかった…………正直生で見たのはKCONだけで、KCONはそれこそデビュー直後のふわふわなパフォーマンス*2で、「あーそうだよなぁ新人だもんなぁー」っていう印象だったんですけど、デビューしてからずーーーっと休みなく活動してきただけあって、本当にパフォーマンスに貫禄が…個人的な色眼鏡も強いとは思いますが、前日獲得したトロフィーをステージに供えて3racha*3の曲で客席から降りてきてダンスパフォーマンス。そこからHellevator、District9のKCONと同じセトリのパフォーマンスなのに全然違う~~~~って感動しました。

Stray Kids_INTRO + P.A.C.E│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

バンチャンめっちゃかっこよかった……ヒョンジンは多分調子はよくなかったんだろうなぁとか思ったりもしつつ、自分がヒョンジンのパフォーマンスをちゃんと見れたので大満足。本当に好きなナルシズムの溢れ方なんだなぁ…顔で踊る人が好き……

スキズのパフォーマンスについては、ソウルのTHE BOYZとのパフォーマンスも大変によかったですね。若くていい顔といい顔のぶつかり合い。最高。

[2018 MAMA PREMIERE in KOREA] Stray Kids/THE BOYZ_MY PACE/OUTRO 181210 - YouTube

 

そして地下板IZ*ONEのスレ発信でTwitterで一躍流行語となったワカワカ先輩ことMOSTA X。もう本当に冒頭パフォーマンスが需要をわかりすぎていて最高でした。

MONSTA X_JEALOUSY│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

本当に見た目に分かりやすい肉体強化のアピールっていうのは分かりやすい。それを下品にならないようビジュアルとパフォーマンスに最大限に活かす努力が着実に実を結んでいる印象でした。ワカワカできて楽しかった。

MONSTA X_Shoot Out│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

 

今年のMAMAの目玉のひとつはIZ*ONEなわけですが、デビュー間もないのにめちゃめちゃかっこよかったな…48メンがいて、10代半ばのメンバーがいることで日本のアイドルのようなかわいいが強いグループのイメージだったんですけど、しっかりかっこよかった。アンユジンくんもだけど、センターのウォニョンも想像していた以上に大きかったのが印象的。ウォニョンかわいいな…かわいい…。さいたまと香港での衣装がめちゃめちゃよかったのが印象的なんですが、48の衣装班が関わってたりするんでしょうか??

IZ*ONE_Rumor│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

IZ*ONE_Beautiful Color│2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

IZ*ONE_La Vie en Rose│2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

 

日本のMAMAの1番のインパクトはやっぱりMAMAMOOですね。

ソラさんのすごいソファーにポールダンス!というソロから始まり、なんていってもファサさん……いかついダンサーをひきつれ真っ赤なエナメルボンテージで踊る踊る……ソロステージのクセが強いの極み……しびれちゃう……

MAMAMOO_Cleopatra(SOLAR Solo) + EASY(WHEEIN Solo)│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

MAMAMOO_SELFISH(Moon Byul&IZ*ONE Chaewon) + Above Live(Hwasa Solo)│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN - YouTube

クセの強さがすごいんだけど、4人のハーモニーもすんごいので、4人でのパフォーマンス見て「あぁ今年の紅白も紅組優勝だーおめでとう!」となりました。紅白出てほしい。

MAMAMOO_Egotistic + Starry Night│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

 

そして最後に見納めできてよかったワナワン!わー嬉しいー!っていうテンションで見始めたら1曲目の最中からクァンリンのパンツの内側ががっつり裂けるという大事故……

Wanna One_INTRO + Light│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

見ちゃいけない!と思っても踊れば白い内腿が見えるのでそりゃ見ちゃうよ!双眼鏡でがっつり見ちゃうよ!ってなってしまって、申し訳ないけどそれしか覚えてない…いや、オンさんとカンダの慶応三田キャン的な合コンでもインターン先でもグイグイのグイみたいな雰囲気はたまらなかったし、ソンウンが曲の冒頭の移動のタイミング間違えたのもかわいすぎたんだけど、やっぱりパフォーマンスも個っていう印象が強いグループだったなぁ…

 

日本MAMAだとあとメインといえばTWCIEなんですが、正直スキズのリアクションカムをしてしまってTWCIE先輩のステージ自体は記憶にございません…でも日本MAMAのステージが最高多幸感メドレーでよかったなぁ。ワリズラブ楽しかった!*4

TWICE_What is Love?│2018 MAMA FANS' CHOICE in JAPAN 181212 - YouTube

TWCIE先輩のおかげで本当にスキズもたくさんMVつくってもらえたりしてるんだけど、本当にステージで笑顔でいることだけでも精一杯なんだろうなぁって見えちゃうところがあるので、餅ゴリは本当にメンバーの心と体が壊れちゃう前に休みを入れてあげてくれよ…

 

香港MAMAはオマゴル×宇宙少女がめちゃめちゃよかった!

OH MY GIRL & WJSN_INTRO + Wild Card│2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

OH MY GIRL & WJSN_Girls On Top(MAMA Ver.)│2018 MAMA in HONG KONG 181214 - YouTube

13人の宇宙少女で見たかった…という気持ちは大変に強いですが…

 

と、あと、BTSと、SEVENTEENについて書いてたんですけど、長くなりすぎたので分けました。後編に続く。

 

2018年のMnet Asian Music Awardsの話【後編】 - きらきらしたものを集めたい。

*1:本当は欅坂呼びたかったよね絶対

*2:https://youtu.be/3aJcxT6UO5M

*3:バンチャン、チャンビン、ハンジソンさんの3人のスキズの前からやっているユニット。スキズのほとんどの曲を3rachaで作ってるそうです

*4:ピリヒョンジンがかわいかったのを含めて

イ・テミンというあまりに稀有な表現者のつくる空間がすごすぎた話。

去年のはじめてのソロコンサートでの目隠しで拘束された状態でのDOORのパフォーマンス*1がすごく話題になって、そのパフォーマンスは年末のアワードでも披露されたけど、はじめてのソロコンサートがすごいのはその1曲だけではなくて、日本武道館というコロッセオのような会場で360度ステージでパフォーマンスをする構成でコンサートを作ったことなんですよね。冒頭だけでも見て欲しいと友達に見せてもらったDVDで、MCは挟むけれども、1曲目から8曲くらいダンサーがハケる曲があってもテミンさん本人はハケることなくずっとパフォーマンスをし続けていて、ステージから降りることなくパフォーマンスし続けていて、軽い気持ちで見始めたのに圧倒されてしまった。グループでステージに立っている時とは全く違う印象というか、SHINeeとしてのステージはドームクラスで大きなステージの仕掛けがあったり、派手な演出があるなかでのものだから全然違う。

 

という経験があり、今回のソロツアーよければ連れてってくれ!とテミンペンにお願いしたわけです。(前置き長いのはネタバレ云々的な気持ちでもあるので、1mmもネタバレしたくない人は以下は読まないでくれ。)

 

 

パシフィコ横浜で見たものは、日本武道館とは全く違う表現のステージだった。

コンサートというより、舞台で、舞踏劇という感覚だった。

「ペンライトは2曲目が始まるまで点灯させないでください」というアナウンスがあって、1曲目DOORはプロジェクションマッピングから始まる世界。曲が頭に入ってないので、改めてセトリ見て1曲目がDOORなことに気づいたくらいなんですけど。前回のコンサートで象徴となった楽曲を全く違う形の表現で1曲目に置くって本当に痺れる。現地で見てた時は単純にそのパフォーマンスに息を飲んでたけど、分かってたら1曲目からクラクラしてたな………

ステージに組まれたセットは、いろいろなシチュエーションを表現する舞台装置で、あるときは街中、あるときは水中、あるときは宇宙をつくる。8人程のダンサーはバックダンサーではなく、同じ舞台を作り上げる表現者としてそこにいて、時にはステージの上手や下手で歌うテミンさんの世界観をダンサーさんがステージ全体を使いダンスでストーリーを作りあげる。

盛り上がるというより、とにかく見入ってしまう時間が多かった。曲ごとにそれぞれの演目を見ている感覚で、ペンライトを振ることもままならない。

テミンさんの動きは、とにかく音ハメが尋常じゃなくて、リズムを刻むというより、メロディーを体で表す。曲によっては音がテミンさんに吸い付いてくるような感覚すらあった。ドームクラスではどうしても音に時差が出ちゃうから、ホールで見るからこその凄さだったと思う。

だけどMCで一言喋り出せばふわふわニコニコで、それまでパフォーマンスしてた時とは顔も全然違うから緩急がすごい。もちぷにゃみたいにふわふわのモチモチ………「次の曲は~」ってワンフレーズ歌いながら振り返ってスッと次の演目の世界に入っている。

本編後半にTHEライブという時間もあって、ダンサーさんを引き連れてかなり自由に歌ってる時間のテミンさんはすごく楽しそうに客席を煽って歌っていた。

18曲披露した本編最後の最後にえげつないほどガンガンに踊って「またね!」と言ってステージから去る。曲間の舞台転換的な暗転はあれども、VCR挟むでもなくほぼほぼ出ずっぱり、MCも軽くで、本編最後に踊りきるすごさ…

本編もすごく言いたいことがいろいろ溢れる内容だったんだけど、アンコールがもう今まで体感したことのないアンコールだった。TシャツGパンでお手振りのアンコールとは全く違うアンコールステージだった。

その選曲がもう本当にすごくて、ただ楽しいだけではなくて、ただ美しいだけではなくて、最後の最後にスッと棘を残されるような選曲。*2そして最後の曲のアウトロが残るなかでテミンさんは「愛してるよ!」と叫び、ステージから姿を消す。左右にあったTとIの形のセットが曲中に中央に寄って、それを門のようにして間にテミンさんが入るとTとIがひとつに組み合わされる。そして、アウトロの終わりにまた開くとそこにはテミンさんはいない。それがとにかく衝撃的だった。本編の最後にこの形はあったけど、アンコールの最後にこれは初めての経験だった。かつてない余韻のなかで明るくなる会場に思わず「終わり方のクセがすごい!」と大きな声で言ってしまったくらいすごい衝撃だった。アンコールもひとつの演目として強い意思を感じるステージだった。こんな作り方、普通ではしない。意思をもって作らなければこうはならない。その体感からずっといろんなことを考えずにいられなかった。

 

最近この世界に触れた身なのでテミンさんの10年のアイドル人生がどうであったかを知らなくて、だからすごく興味がある。

初めてのソロコンで武道館という会場を選び、あの360度ステージを作ったこと、そしてホールツアーで舞台のようなステージを作ったこと、どこに影響を受けてそうなったのかがとても気になる。韓国でもソロコンサートは開催しているけども、初めてに日本という場所を選んでいることについてもとても興味深い。ただの大人の意向とは思えない。

とにかく1曲たりとも何も考えられていないステージはなくて、セットをモニターとしてテミンさんを映している場合でも3箇所に3方向からの映像を映していたり、大きなモニターで映していた映像が鏡写しになっていたり…派手さではなくて、どれも曲の世界観のための演出。ダンサーさんも、バックダンサーではない。ダンサーさんが登場した時にその個性的な面々にまず衝撃を受けた。テミンさんよりもとても背が高い人もいれば、とても顔にも髪型にも個性が溢れている人もいる。そして全員揃いの衣装ではなく、それぞれの人にあった衣装を着ていた。ダンサーのクセが!って思っていたら、「あ、バックダンサーじゃないんだ、彼らも立派な登場人物だ……」と数曲のうちに思い知らされる。

 

パフォーマンス中のテミンさんの頭のなかには、ずっとステージ全体を映した俯瞰の映像があると思う。ステージ全体を見たときに自分がどこにいて、客席から見たときにどうステージ全体が見えているか、どこを見せたいか、が明確に頭のなかになきゃ出来ないものだった。多分、どれだけ情熱的なダンスをしていても、頭の2割くらいは冷静で、研ぎ澄まされた状態。だから思い返すとどれだけクセの強いパフォーマンスの曲でも「ナルシズムが溢れてる!」の感じた部分がない。多分どの場面でもナルシズムで満たされる余地もない。ただ、アンコール最後の曲で赤い衣装のテミンさんがセンターにいて手を掲げ、左右に白い衣装のダンサーさんが一緒に手を掲げ、ペンライトを掲げて振ることを求められて会場がそれに応えている時に急に「あ、そうだ、ここはイテミン教だった」って思った。あの瞬間ばかりは一神教の世界だった。それでその曲のアウトロでステージから消えるんだもんなぁ…敵わないよナァ……って思ってたんですが、実は曲が終わっても最後に門のように使ったセットの裏にずっと潜んでいるらしい。どういうことよ………

 

本当にすごい人だと思う。その会場で1番映える構成が考えられる人で、自分の思い描く表現がやりきれる人で、自分の思い描く表現をするための演出と共演者と衣装を選べる人なんだろうと思う。もちろん舞台監督とか、そういうスタッフはついているにしても、判断はテミンさんがしてるとしか思えない。誰かの選択をそのまま受け取ってるようには見えない。隅から隅まで血が通っていて、とてつもなく質の高いことを全部をやりきれる人なんているんだな………って思って、最終的に、「ちょっと意味わかんないんですけど」って気持ちになる。

多分、天才とか才能とかいう言葉で済ませるわけにはいかない想像を絶する努力がある。努力だけでどうにかなるわけでもないんだけど………

7月にあったペンミの映像を見ながら書いていますが、もちろん体に染み付いたパフォーマンスはしっかりしてるけど、表情がぼんやりとフワフワしてて面白い。テミンさんの選曲したブロックになったら急に表情がしっかりしたので、優先度であたまに入りきらず溢れたものはかなり溢れてたんだろなぁと思って人間らしさにホッとするくらい。あんな公演の準備してたらそりゃそうだ……となる。

グループはグループ、ソロはソロ、というドライな区切りがあるかというとそうでもない。だって、siriusツアーで発売しているペンライトは日本公式のSHINeeの基本色と完全に同色で光っていたから。*3ソロであってもSHINeeのペンライトで見たい人への配慮だと思う。あのミントグリーンに包まれるのが落ち着くのかもしれない。

 

テミンさんが、siriusというツアータイトルは「このステージが1番明るい星のように輝く時間になるように、共にそういう時間を作りたくて」というようなことを言っていたんだけど、本当に自分の人生のなかでも1番かもしれない余韻がある。圧倒的で強い強い眩しさ。本当にすごい時間だった。パシフィコ横浜という会場で見れてよかった。*4

 

そして、そんな余韻のなかキーくんがソロでの活動を始めるというニュースが。SHINeeとしてステージに立っている時でも溢れている彼の美学とこだわりがソロとしてのビジュアルやパフォーマンスやパッケージでどう表現するのか………興味深すぎるので楽しみです。

*1:https://youtu.be/T3H4_uy4-Qw

*2:あとで確認したらアンコール2曲が初披露のリリース前の新曲っていう。本編にも新曲たくさんあってトータル7曲が新曲ってわりと意味わかんないレベル

*3:日本と本国公式とは微妙に色味が違うことに今回始めて気づいた

*4:パシフィコ横浜は1階ほぼ最後方でもステージの足元まで見えるから素晴らしい。2階はわりと中腹から視界よくない。