きらきらしたものを集めたい。

主にジャニーズ、たまにアイドル。/絶賛事務所担進行形 → 主にK-POP、たまにジャニーズ、たまーーにアイドルへ移行→主にLDH、そこそこK-POP、たまにジャニーズ、ちょっと坂道に移行したみたい。。

それでもショーは続く。

わたしはジャニーズ事務所の全てを見てきたわけでもないし、ジャニーさんのことをよく知ってるわけでもない。

それでもジャニーさんが亡くなって、悲しむ人、改めてジャニーさんの功績を讃える人、改めてジャニーさんの功罪を訴える人、Twitterでいろんな言葉を見ていて、1番ハッとした言葉。

『ジャニーは聖人じゃないけど、性的な興味も侮蔑も本能的な分、その欲望が絶対に女には向かないって、これ以上に少女が安らげる場所は無い。後天的な道徳やお人柄での聖人なんて到底太刀打ちできないような存在なのよジャニーは。』

その通りだと思った。

ジャニーさんの作る世界のなかには女性は基本的にはいない。美しい男の子たちの世界のなかで、ステージの添え物か、男の子たちを産んだ母か、の程度しかない。

女性に対し興味がないから媚びもない。ただ自分の見たいきらきらした男の子たちのショーを作った。だけど女性が男の子たちのきらきらしたショーを共に楽しむことを受け入れてくれてきた。ショーを楽しむには性別も年齢も関係がない。

広義的な意味で女の子にとって、自分たちへの興味関心・下心が微塵もなく、客席で楽しむことは歓迎してくれる。こんな安心で穏やかな場所はない。

ジャニーズの男の子たちは、女の子にとっては素敵なお兄ちゃん、あるいはかわいい弟、母にとっては息子たち。女の子ではなく母でもない"女性"は性的な魅力で全ての人を狂わせる危険なものだから当局が封印をしなくてはならない。ジャニーさん的な感覚はきっと「お兄ちゃん、ガチャ」の世界観が1番近い。

 

ジャニーさんという人は、ショーによって人の心が動かされることへの衝撃を受け、戦争できらきらとした男の子たちが壊されていくことを憎み、それを多くの人に感じて欲しいという強い信念と、ただひたすら好きなもの好きな人へ愛情と時間とお金を本当に惜しまずに注ぎ込んで来たんだと思う。

「こんな僕に声をかけてくれて、人生を変えてくれた」「たくさんの人の人生を変えた」といろいろなメンバーがコメントしていたように、本当に多くの人の人生を変えたと思う。

すごくすごく沢山の人の人生を明るくしたと思うし、沢山の人の人生を暗いものにもしただろう。

欲に対して純粋であることは何よりも強くて残酷。強いから世界を作れる、強いから人を壊せる。

 

ジャニーさんのきらきらした男の子たちへの純粋な欲に対し、ジャニーさんの周囲の人間には純粋な欲がなかった、とは言わないけれど、純粋に欲がジャニーさんの欲とは違っただろう。ジャニーさんの作ってきた影と周辺の人の作ってきた影は性質が違うものだ。

 

しばらくしたらいろいろなものが崩れていきながら新しい形になっていくんだろう。ひとつの組織として、ではなくなるのかもしれないけれど、変化の時代を見れるのもとても興味深い。変化はきっと彼の息子たちにも現れる。父との死別は人生にとって大きな出来事だから。

それでもショーは続く。ジャニーさんに触れてきた沢山の息子たちのなかで生き続けていく。色々な解釈で生き続けていく。ジャニーさんのショーに触れた娘たち・母たちの中でも色々な解釈で生き続けていく。

 

日向坂の強さは齊藤京子と井口眞緒から出来ている。と言い切ってもいい気がする。

日向坂で会いましょうの爆発力についても書きたいことは沢山あるんだけど、今回はHINABINGO!の#8で放送されたドッキリ企画の話。

キャプテンと潮さんが仕掛人で「MCをしてくれてる小籔さんが日向坂のことをあんまりよく思ってないらしい」と言って反応を見るというドッキリ。

仕掛けられたのは丹生ちゃんと東村さんのコンビと齊藤京子井口眞緒のコンビ。「マネージャーから聞いたんだけど」とキャプテンからの話を聞いたとき、前者のコンビはとても素直にショックを受けてしまうけれども後者のコンビは違う。

端から「そんなことないよ!絶対好きだよ!」と、キャプテンの言葉を真っ向から否定する。齊藤京子は「本当に素晴らしい人じゃない?そんな誰かに『あの子らよくないな』って言うような事をする人じゃなくない?」という小籔氏への信頼感を真っ直ぐな目で言う。

「ちょっと収録を重ねて慣れてきちゃったかな」というキャプテンには「そんなことないよ!毎回全力だよ!」と答える井口眞緒。その言葉に「嘘つけ」と言える人は多分いない。確かにいつもやり過ぎるくらいに全力だ。その後も挨拶は?にも全力だよ!と答えて、ふたりとも全く「よく思ってない」を認めない。こんなドッキリ見たことなかった。

らちが明かないのでドッキリでしたーってネタばらししたあとに「これ大成功?ドッキリかかってたかな」って齊藤京子本人が言ってたけど、本当にドッキリとしては成功じゃない。

スタジオの小籔氏が「自己評価高すぎるわ」ってツッコんでたけど、こんな強靭な肯定力を持っているアイドルを見たことがなかった。

日向坂の強さはこのふたりが作ってるんだな、と改めて感動してしまった。

強靭な肯定力。井口眞緒という人のすごさは以前ひらがな推しのスナック眞緒について書いた時にも書いたけど、メンバーの個性をここがすごい!あそこがすごい!と言えるところ。本当にあの力強さで背中を押されてキャラクターが開花したメンバーが沢山いる。そのキャラクターに縛られてしまって悩む子が生まれてしまっているとしたら良い面だけではないかもしれないけど、「わたしはわたしでいいんだ」と楽になった子達が多いと思う。もちろん井口眞緒自身も、当初はダンスも歌も出来ないということに悩んだのかもしれないし、今も番組でどんどん発言しながら着地点を見失ったときは発言の最中から反省していく。あの話をしながら反省するのは特殊技能に近い。

そして齊藤京子はクレイジーという扱いをされる人ではあるけど、「改名したら死ぬ気でやります」と改名発表のときに発言した通り、日向坂になってからアイドルとしての全ての活動において本気で取り組んでいるのが伝わる。自分がここではあざとさを出すべきだと思えば全力であざとくぶりっ子をする。多分、ひらがなの頃はそこまで愛嬌には気を配ってなかった気がするので、本気でアイドルをやる、をしているんだと思う。齊藤京子の本気は、周りと感覚がズレてようともなんだろうと貫く本気(マジ)なのがすごい。あらゆるクレイジーな行動もマジでやってるからすごい。

今の日向坂には「あなたはあなたらしく、わたしはわたしらしく、前を向いて本気で努力していけばいい」という解放感がある。多分、3年のひらがなとしての活動なかで浸透した井口イズムであり、齊藤京子の本気力な気がした。

HINABINGO!の2クール連続放送、本当に嬉しい。7月からも最高のアイドルバラエティーをよろしくお願いします。

ドレミソラシド、2019年夏、最高の1曲だと思います。

「ビジョナリー・カンパニー」から見る日本のショービジネス

3ヶ月かけてせっかく読んだので、読了記録として自分なりの感想文です。あくまで、分析検証はしていませんので悪しからず…

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

 

沢山の企業へのアンケートからビジョナリーカンパニーとした会社の多角的な比較分析、検証を行ってまとめられた本で、とにかく読んでいく上でもその苦労を感じさせる重量感で、ビジネス書を読みなれないので苦労してしまった。とはいえ、非常に面白かった。

この本からショービジネス、アイドル業界を考えるってあんまり妥当じゃないかもしれないけど、読み進めていくうちに「現代日本のショービジネスにおいてビジョナリーカンパニー(この本でいうと「長く発展し続けている未来志向企業」)と呼べるのは宝塚だけだろう」という感想が固まっていった。

いくつかの項目があるが、まず「ビジョナリーカンパニーに必要なのは"時を告げる人"ではなく、"時を刻む時計を作る仕組み"を作ること」という点。

わたしは宝塚を創始者や現社長ありきで語るファンに出会ったことがない。今の宝塚の魅力を語る際に用いられるのは誰かの逸話ではなく、その組織の仕組みの話だろう。対してジャニーズはずっとジャニーさんが"時を告げる人"として組織を動かしてきたことは明白である。滝沢さんにバトンタッチしたことにより、仕組みを変えていくのかは分からない。

また、「カルト的な文化がある」という点。

この部分がなにより宝塚だ。宝塚音楽学校で徹底されている伝統のアレコレとして外部にも伝わる文化は、現代の学校教育とはかけ離れたものであるにも関わらず、毎年入学希望者が溢れている。内部の文化だけでなく、ファンの文化の根付き方も他のファンダムとは一線を画す徹底された伝統。ジャニーズのファンにもカルト的な文化はあるが、宝塚のように徹底されたものではない。

 

他にも本のなかにある項目のほとんどで宝塚を思い浮かべられた。と同時に、歴史こそ浅いけれども、LDHもビジョナリーカンパニーの志向で経営されているように感じた。少なくとも経営についての本やマネジメントの本を手に取ることなくここまで経営してきたとは思えない。HIROさんは今は"時を告げる人"だろうけれども、同時に"時計を作る仕組み"を作っているように思う。ただ、中の在り方として、EXILEをトップとしたピラミッド型の組織を作っているように見受けられるので、そこはきっとこのビジョナリーカンパニーとは違うところから何かを得ているんだろう。

 

ジャニーズが別にビジョナリーカンパニーを目指してきたわけでもないことはわかっている。ただここまで長く愛されてショービジネス界に確固たるポジションを築いたからには、長く発展していく企業を目指していくこともいいと思う。勿論、ビジョナリーカンパニーという考え方が絶対的な正解ではないけれど、ひとつの見方としてこういう定義を頭のなかに入れて見ていくのも味わい方に広がりが出来ていい、と思う。