お兄ちゃんガチャに見える野島伸司的アイドル観
お兄ちゃんガチャもとうとう佳境。
お兄ちゃんが出そろって、あとは主要な皆さんのお話。
10話まで見て、改めて面白いなと思ったのはランクとキャラクター。
このランク付けは野島伸司のアイドル観、ジャニーズ観がすごく反映されてるような気がする。
全てお兄ちゃんとして能力値が高いのにもかかわらず、前世の人格という自我を持って生まれた扱いづらいトイをSとする意味。
全ての能力がそろっているアイドルなんだけど、それを生かしアイドルとして求められるものに媚びていくのではなく、それ以上に強い自我を持って生きている存在。
流されない我をもちつつ、俯瞰的なものの見方も出来て周囲を自然な流れで自分の思うよき方向に向ける事ができる。
野島伸司的に1番魅力的なのはそういうアイドルなのかなと。
とりあえずなんか堂本剛さんとかの空気を思い出しますよね。
そしてAランクのお兄ちゃんズ。
彼らはやっぱりグループとしての完成形なのかなと。
彼らだけは常に歌い、踊る。エンターテイナーとしての意識の高さ。
エンターテイナーとしての完成度の高さと、些細なことに浮き沈みしたり嫉妬したりランクを気にしたりする人間的な小ささのギャップ。
そして兄弟のような仲間意識と、それだけではないライバル心。
5人とも契約してほしいわけではない、だけど抜け駆けはしない。
そして親の会社が倒産するからもうキープできないといわれた後の彼らが、みんな自分でお金を稼ぐから手放す必要はないよ、と妹のところに戻ってくるシーンが、国民的アイドルになってコンサートにいったり専門誌を買ったりしなくても、テレビやコンビニで買える媒体でいくらでも見ることが出来るようになる感じとダブった。
要は人数的にも嵐感あるな、と今更ながら。
最終的に彼らに対してどう決着をつけるのか楽しみ。
そしてBとCが特徴的なランク付け。
コーナン君やロードよりもジェントルが下であることについては、野島伸司の考え方がすごく出ているように思う。
ジェントルって本当に女の子を気持ちよくさせるやり方を理解していて、きっと女の子的な正解を常に出せる。だけど、それはあくまで自分をお兄ちゃんとして契約してもらうための打算的な行為。
トイを当局に付きだした行動と「女の子は腹黒いから」とつい双葉ちゃんに言ってしまった女の子に対しての軽蔑にも近い感情。
敏腕営業マンとかもそうなんだけど、やっぱり簡単に人を気持ちよくさせることができる人の腹の底ほど黒いものはないよなーって私も思うタイプなので、ジェントルをそういうキャラクターにしたことに対してすごく納得した。
セーギも家族を守るスタンスをとるけど、自分が損することはしない。そして体を張って不良と戦ったトイをバカにした。彼も打算的で腹は黒い。
それでもジェントルなんてCである必要ないような気がするんだけど、その腹の底の黒い本音を漏らしてしまう不完全さがCなのか、それともそういうスタンスをとるアイドルが嫌いなのか、どっちかといえば後者な印象。
ジェントルよりランクの高いBのお兄ちゃんたちは損な役回りタイプ。
個性は確立できているんだけど、結局ミコの中でトイには適わない。
適わないことを自覚してしまう察しのよさが2人の特徴な気がする。
これもそれぞれのグループにおいてすごく重要な役回りをするアイドルと似ている。センターにはなれない自覚があって、でもグループの色を作るキャラクター。
Aランクのお兄ちゃんズのメンタル設定を考えても、野島伸司的にはアイドルとしてのパフォーマンス力を前提としてはいるけど、個性と人間らしさっていうのをすごく重要視してるんじゃないかなと思う。
そして、ネガのG。田中とワッキーよりも下のランク。
とにかく自信のないアイドルが嫌いなんだろうなということだよね。
僕なんて僕なんて、といって努力をせずに周りに文句ばっかり言ったり、こもって迷惑かけたりする。
アイドルである以上そういうめんどくさいのとか、自信がないというのは話にならないってことなんだろう。
でもそういうめんどくさい子が自信の持ち方を掴んで、努力をするようになると急にキラキラしだすのがアイドルの良さでもあると思ってるんだけど、野島伸司的にはNOなんだろうなぁ。
個人的には、ダントツでネガが好きだからさ…
まぁそりゃトイもめちゃめちゃ好きなんだけど…
そんな感じのことをここまで見て感じたので、結末がとても気になる。
ロイ君の場合はランクもないし、どういう位置づけなのかまだ分からない。
なんやかんや言っても野島伸司は面白いなぁなんて思います。
ほんと、世界観含めてジャニーズドラマとしては暫定最高傑作!