アイドルの不変と可変についての話。
すごく偏見による仮説を立てた話をするので、ホンマでっか的なテンションで読んでほしい。前置き長い。
2次元ヲタウケするアイドルという枠がある気がしている。そういうアイドルはファンアートが盛んになる。自分のなかでのその筆頭は、ももクロとでんぱ組とPerfume。もちろん裏取りはありません。個人の印象です。ジャニーズはもうファンの母数が違いすぎるのでまた別枠。
共通しているのは、メンバーにつけられた色とキャラクターが変化しないということ。ももクロは髪型は変われど、全員20代になっても、ももクロとしてステージに立つときはももクロちゃんとしてのキャラクターでいて、れにちゃんのポジションも変わらない。でんぱ組とPerfumeに至っては基本的に髪色も髪型も、一般に認知されてからは大きく変えていない。衣装のテイストも基本的には変わらない。48系と坂系は制服制度ではあれど、メンバーの容姿とキャラクターは自発的な変化が許されてる気がするので、入りません。全く触れたことがないからわからないけど、スタダ系男子ドルもキャラクター担当制なイメージですが、実際はどうなんでしょうか。
2次元ではキャラデザが日に日に変化することはまずないし、ファンタジー寄りな世界観であれば見た目の成長やキャラクターの急激な成長を描くこともあまりない。ドラクエでは主人公が成長するし結婚するし子供も産まれるぞ!って言われたらまぁそうなんだけど、ひとつの作品のなかでキャラデザがいきなり鳥山明から天野喜孝になることはないじゃん?っていう話。
そういう変化のなさは、ファンになる際にもキャラクターが分かりやすくて敷居が低くて、ファンからすると自分の好きだったものが変わりなく守られているという安心感があり、「○○は裏切らない」という気持ちになる。ビジネスを考えたとき、そういう不変のキャラクターを与えて、そのなかで過ごしてもらうことは正解かもしれない。
一方、それを続けている側には変化してはいけないことへのそれ相応に葛藤があると思うので、私は個人的にはそういうキャラクター固定型のアイドルが苦手だったりします。
与えられたキャラクターに葛藤する時期を越えてやりこなしていく姿がいいんじゃないか!という楽しみ方ができるほど上級者ではないので、自発的なキャラクターではないキャラクターづけは楽しめない。人間としての成長と変化を内面、外見から感じたいタイプです。自分は存在を知ってからハマるまでに時間がかかる方なんですが、それは変化を感じたときにグッとくるからかもしれない。*1
かつてのSEVENTEEN、とくにMANSEが、とてつもなく2次元ヲタに響いたというのはほぼ間違いないような気がします。青髪長髪のイケメンというジョンハンさんは2次元の世界観そのものだし、よりどりみどりのイケメンが制服で踊るし、女の子にメンバーそれぞれがアピールしていくMVは乙女ゲーとよく表現されています。*2そんな時代があったけど、彼らは絶えず変化していて、男の子の成長をタイトル曲のなかで描いていて、ジョンハンさんも普通の男の子の髪型になった。普通のアイドル以上に、ビジュアルも世界観も成長を体現している。
好きだった彼らがもう数ヵ月後には大人な姿になって違う世界観を体現しているということは、世界観に不変性を求める人にとっては心地のよいものではないかもしれない。現実の世界の変化スピードと同じように、あるはもっと早く変化していく彼らに置いていかれてしまうような感覚。同世代という年齢で彼らを見ている人がたまに落ち込んだり焦ったりするのはそういうところなのかなと思う。自分も、ハタチ前後であれば彼らの努力が伝わりすぎる分、自分の不甲斐なさが恥ずかしく受け止めるのがつらくなる時があるだろうと思う。年を取っているとそういう部分は自分と重ねなくて済むので楽だったりする。
不変と可変、どちらが正解とは言えない。
ただ、どちらにも需要がある。
好きになったグループが自分の好む方であればそれが一番幸せなんだろうなぁという話です。
可変志向からすると、アイドルも人間で、ファンも人間で、どちらも年を重ねていけば変化がある。ファンからすると、自分の求める理想からアイドルが離れていくことを悪いことと捉えてしまうことは多いけど、それが本当に悪いことであるとは限らない。ファンの理想と自分の変化とのやりくりの上手い下手はあるとは思うけど、私は変化がある方が面白いと思います。
ジョンハンさんが髪の長い頃の自分が彼にとって少し呪いになっていそうなのは、彼がファンに寄り添いすぎるからかもしれない。ディノちゃんが彼を支えてきたファンに冷たいことを言ってしまうのは彼がいまの自分に自信が溢れているからかもしれない。
アイドルにしても、ファンにしても、理想と現実のなかで自分でかけてしまった自分への呪いは自分の手で解かなければならない。解けた呪いは苦くも輝かしい思い出になる、かもしれない。
何にせよ、アイドルとファンに契約はないし、楽しさよりしんどさが勝ってしまうようになったら、そのアイドルとは距離をおく方がいいよなぁと体感で思う。その判断は周りに何か言われることではないし、距離を置きなよと周りが言うことでもない。距離を置いたらよく見えてくることもあるし、逆もしかり。
みたいなことを、感じる週末*3でした。
*1:今、めちゃめちゃSF9がグッときてるのは、彼らの活動が血肉となりパフォーマンスに反映されていると感じるようになったからです。
*2:え?見たことない???じゃぁ、とりあえず見ましょう、MANSEのMV。https://youtu.be/9M7k9ZV67c0
*3:母親のアイドルへの愚痴を聞いたり大手マスターがcloseしたり
この沼はとなりの国を経て世界に繋がる沼、かもしれない。
劇団雌猫さんのイベント、よいこのKPOPへ行って来ました。
あまりこういうトークイベントに行くタイプではないんだけど、友達が登壇するし、自分がハマりはじめて間もなくてまだまだ知らないことが沢山あるので行ってみました。
最終的にグレーなことがたくさんある沼という話をされていたんだけど、登壇されていた先生は二人とも現在BTSを推しているということで、限りなくホワイト寄りなグレー目線のお話が中心だったと思います。
いろいろな話がありましたが、整然とまとめられたBTSプレゼンがとても印象的でした。
@sarirahiraさんのツイートより: https://twitter.com/sarirahira/status/930771556132823041?s=09
前半に語られた彼らの活動スケジュールしかり、ARMY2人が選んだプレゼン手段にどちらも写真がでて来なかったことがとても印象的です。
個人的に印象に残っているのが「売れているということ」で、やっぱり今のBTSを追う最大の楽しさはそれだろうなぁということ。
この2017年は彼らが選んだ手段で彼らが世界的に売れていく姿を、ジャイアントキリングを、毎日絶えずいろんなSNSやステージで見せてもらえていて、BTS追うだけで追いきれない量の情報と功績。近くでその激流を楽しんでいる姿を見ているだけでもドーパミン出過ぎて脳髄がしびれそうに感じるくらい。
文学的なアプローチやユニセフとのコラボにしても、彼らがやろうとしていることはデビュー当時からブレることがなく、ただ手段やアプローチの幅が広がり続けていて、そして人間としての自分たちのありのまま姿*1も見せ続けている。
そりゃ売れる。それが出来るってことが本当にすごいことで、それをして売れるために絶えず努力することが出来る人たちであるということがすごい。
音楽的なアレコレ以上に、そういう志向と姿が心を打つグループなんだろうなと改めて感じました。
で、もし自分がSEVENTEENをプレゼンするとしたらどうなるんだろうなぁなどと考えたんだけど、音源だけでなく活動のアプローチをBTSのように整然とまとめることは難しい気がしていて、結局のところ「エモい」で表す以外にないのでは…というのが自分の結論になってしまった。
自主制作ドルという彼らのスタイルは、彼らの音楽も、彼らのパフォーマンスも、彼ら自身の情熱の結晶であるということが何よりの強みだと思う。
彼らが自分たちで自分たちの姿を磨き続けていること、情熱の結晶をひとつにするという志がとにかくすごいということ。
別れの辛さや痛みをテーマにした曲の表現するために、チームスポーツのように曲のテーマにあう映画を全員で見たりしている。サラッと話されたエピソードだけど、アイドルでそういうことをしてるグループは聞いたことがない。
そもそもデビューにあたり事務所から13人全員に揃いの指輪が授与されて、それをずっと全員が小指にはめて活動しているということが、もうめちゃめちゃエモくないですか?セブチ追っていると当たり前に捉えてしまうことなんだけど、年頃の男の子たちが揃いの指輪をして、その指輪に誇りをもって活動しているってめちゃめちゃエモだよ…毎年リニューアルされて、とうとうホワイトゴールドで13面で、小さなダイヤモンドが埋め込まれたなんて、すごいエモくないですか…
イベントでも流れたけど、MY Iという1曲にしても中国出身メンバー2人が作詞をして、メンバーのウジさんが曲を作り、パフォーマンスの振り付けはホシくんやディノちゃんも一緒に作った1曲。その曲のMVが韓国語verと中国語verで作られ、ワールドツアー全会場で披露されました。中国語圏では中国語で。すごいことだと思う。彼らは制作の過程についてあまりたくさんのことを語りませんが、形になった楽曲、パフォーマンスにはその過程の真摯さが現れていて、それがライブでえげつない輝きになっていて、それに触れてもらうことが1番伝わると思っています。
それが彼らの公演への動員力に繋がっていて、日本デビューしていない彼らの公演をWOWOWさんが収録して放送していることに繋がっているのではないでしょうか。
現状は現場でしかその魅力を伝えきれないというのはSEVENTEENの弱みとも捉えられるのかもしれないけど、彼らは彼らのスタイルでこれからもいろんなことを模索していくと思うので、そのエモい輝きがどうなっていくのか楽しみです。
昨日のイベントのなかで、先生から「かつて見ていたアイドルがSNSも活発じゃなくてステージもいつも同じで『この子達売れたいのかな…』って思ってつらくなって」って言葉がでて、頭がもげそうなほど同意したんですけど、わたしも本当にそこにお金を出す行為に空しさを感じるようになってしまった。もちろん空しさあれども身近なトキメキも楽しいことも確かで、それはそれで楽しい娯楽として今も続けているけど。それでもやっぱり自分にとっては情熱の結晶に触れた時の感覚を超えることはない。
今のジャニーズの「デビューしないけど忙しいJr」を見るのも、頑張って売れたい子達の売れたいという熱量がただ代わり映えのない現場で消耗されていくことへの辛さが強いものであるというのも改めて感じています。日本の男性アイドル界は、BTSのようなジャイアントキリングも本当に難しいし、その元凶である最大手のなかでの人材飽和も難しい。
縛られ囲われたジャニーズにはジャニーズのよさがあるし、それを守ってほしい気持ちも大いにある。ただもうすこしどうにか…っていう感情。
結局まとめられなかったし、本当に感想文ですが、人が好きなものに対しての情熱を熱く語る姿はやっぱりアツいし、楽しい。きっと時間がいくらあっても足りない。あのイベントでの熱量に感化されてこんな長い感想文を書いているわけで、やっぱり趣味は生きる力になるな…と感じています。
最後になりますが、浪費の勲章BOXにMY TEENさんを放出してくださった方、ありがとうございます。ありがたく頂戴いたしました。
*1:として見てもらいたい姿
SEVENTEENのつくる新世界
まぁとにかくタイトル曲CLAP(박수 パクス)のMVを見てくれ、話はそれからだ。
[M/V] SEVENTEEN(세븐틴) - 박수(CLAP) - YouTube
こんな最高のMV見たことあります????曲も最高じゃないです????
うまくいかないこともあるし、週末はあっという間に終わるけど、まぁ一緒に拍手しようぜ!みたいなテーマです。
古い映画のような導入から、デビューからこれまでのMVの要素をちりばめまくってたりするんですけど、そういうことが分からなくても音楽とこの映像だけで本当に最高にアガる仕上がりです。カラフルでレトロでポップでキッチュな世界が溢れてきて圧倒されて終わる。
自主制作アイドルであることを、映像制作会社に仕立てているわけですが、個人的にはPhotoshopを使ったカットが最高に好きなんです。毎日にらめっこしてるphotoshopのなかで踊るSEVENTEEN…!!!実際あんなバグられたら絶望だけど。
音にあわせて細かくカットを刻むのはK-POPのMVの基本ではありますが、本当にコンマ単位でいろんなシーンがあって、見飽きない。ダンスカットの入れ方がまた最高にうまい。韓国の誇るVM Project Architectureさんは神。*1日本のアーティストもお願いしたらいいのに…
で、お馴染みDance practice verです。
[Choreography Video] SEVENTEEN(세븐틴) - 박수(CLAP) - YouTube
なにこのフォーメーション!えっぐぅぅううって改めて見となりますね。
今回の曲は13人がひとつの固まりとして伸縮するような動きが印象的です。
初めてサビの映像だけのティザー見たとき、無音で見てたので早送り???って思ったくらいキレッキレで本当にすごい圧。
いつもそうだけど、動と静の緩急が本当に好きです。サビもリーダースンチョルがセンターにくるところは煽っておいて大きく動かないとか、あの緩急がより圧を感じさせていいし、そのあとのウジさんのセンターにくるときのサビはめちゃめちゃキレッキレ。本当に今回のリーダーズは素晴らしい。
あと個人的には、Aメロからミンギュがソロをもらっていて、それがまためちゃめちゃかっこよくて見るたびに魂が抜けています。
今回のアルバムはフルアルバムで11曲の音源です。
今回は楽曲の幅も広くて、後半のFlowerからのRocketの流れが個人的に最高の流れです。少し低音のきいたFlowerの音からの浮遊感ある高音の気持ちいいRocketの流れが最高です。
その浮遊感からのHello。デビュー前のSEVENTEEN PROJECTで披露されたシャッフルユニットの楽曲。3年越し?で音源化してくれるとか本当にヲタクの扱いをわかってらっしゃる。しかも当時とちょっと歌詞を変えて、曲の中の主人公も成長してるということをやるのがSEVENTEENなんだなぁってことで、グッときちゃうわけですね。
清涼ドル、という枠ではない。SEVENTEENはSEVENTEENの世界線で新しい世界をつくる。SEVENTEENはいつだって「これまでの自分たち」がライバルで、よくも悪くも売れ線に対してはそこまで意識がない気がする。映像やビジュアルは流行りに乗せているんだと思うけど、やっぱり音楽としては少し異質だと思う。
彼らだけで作っているわけではないにしろ、プロデューサーを外にもたないことは、なかなかリスクが大きい。ファンにとってプロデューサーは必要悪の存在でもあるから。ファンにとって方向性が意としないものになったときに「彼らのせいじゃない、プロデューサーが悪い」という文句の言い先になる。腹が決まってないと出来ないことだし、メンバーにとっても外の誰かのせいにはしないという意識の強さがあの一体感をもつパフォーマンスになってるんだと思う。簡単なことじゃない。いつも作り出すのは簡単じゃないって本人たちも言っているところも好きです。
とにもかくにも、1回聞いてください…
Apple Musicって本当に便利ですね。Androidでも使えるんですよ。すごいですね。
いや、ほんと、ぜひ聞いてください。