きらきらしたものを集めたい。

主にジャニーズ、たまにアイドル。/絶賛事務所担進行形 → 主にK-POP、たまにジャニーズ、たまーーにアイドルへ移行→主にLDH、そこそこK-POP、たまにジャニーズ、ちょっと坂道に移行したみたい。。

イ・テミンというあまりに稀有な表現者のつくる空間がすごすぎた話。

去年のはじめてのソロコンサートでの目隠しで拘束された状態でのDOORのパフォーマンス*1がすごく話題になって、そのパフォーマンスは年末のアワードでも披露されたけど、はじめてのソロコンサートがすごいのはその1曲だけではなくて、日本武道館というコロッセオのような会場で360度ステージでパフォーマンスをする構成でコンサートを作ったことなんですよね。冒頭だけでも見て欲しいと友達に見せてもらったDVDで、MCは挟むけれども、1曲目から8曲くらいダンサーがハケる曲があってもテミンさん本人はハケることなくずっとパフォーマンスをし続けていて、ステージから降りることなくパフォーマンスし続けていて、軽い気持ちで見始めたのに圧倒されてしまった。グループでステージに立っている時とは全く違う印象というか、SHINeeとしてのステージはドームクラスで大きなステージの仕掛けがあったり、派手な演出があるなかでのものだから全然違う。

 

という経験があり、今回のソロツアーよければ連れてってくれ!とテミンペンにお願いしたわけです。(前置き長いのはネタバレ云々的な気持ちでもあるので、1mmもネタバレしたくない人は以下は読まないでくれ。)

 

 

パシフィコ横浜で見たものは、日本武道館とは全く違う表現のステージだった。

コンサートというより、舞台で、舞踏劇という感覚だった。

「ペンライトは2曲目が始まるまで点灯させないでください」というアナウンスがあって、1曲目DOORはプロジェクションマッピングから始まる世界。曲が頭に入ってないので、改めてセトリ見て1曲目がDOORなことに気づいたくらいなんですけど。前回のコンサートで象徴となった楽曲を全く違う形の表現で1曲目に置くって本当に痺れる。現地で見てた時は単純にそのパフォーマンスに息を飲んでたけど、分かってたら1曲目からクラクラしてたな………

ステージに組まれたセットは、いろいろなシチュエーションを表現する舞台装置で、あるときは街中、あるときは水中、あるときは宇宙をつくる。8人程のダンサーはバックダンサーではなく、同じ舞台を作り上げる表現者としてそこにいて、時にはステージの上手や下手で歌うテミンさんの世界観をダンサーさんがステージ全体を使いダンスでストーリーを作りあげる。

盛り上がるというより、とにかく見入ってしまう時間が多かった。曲ごとにそれぞれの演目を見ている感覚で、ペンライトを振ることもままならない。

テミンさんの動きは、とにかく音ハメが尋常じゃなくて、リズムを刻むというより、メロディーを体で表す。曲によっては音がテミンさんに吸い付いてくるような感覚すらあった。ドームクラスではどうしても音に時差が出ちゃうから、ホールで見るからこその凄さだったと思う。

だけどMCで一言喋り出せばふわふわニコニコで、それまでパフォーマンスしてた時とは顔も全然違うから緩急がすごい。もちぷにゃみたいにふわふわのモチモチ………「次の曲は~」ってワンフレーズ歌いながら振り返ってスッと次の演目の世界に入っている。

本編後半にTHEライブという時間もあって、ダンサーさんを引き連れてかなり自由に歌ってる時間のテミンさんはすごく楽しそうに客席を煽って歌っていた。

18曲披露した本編最後の最後にえげつないほどガンガンに踊って「またね!」と言ってステージから去る。曲間の舞台転換的な暗転はあれども、VCR挟むでもなくほぼほぼ出ずっぱり、MCも軽くで、本編最後に踊りきるすごさ…

本編もすごく言いたいことがいろいろ溢れる内容だったんだけど、アンコールがもう今まで体感したことのないアンコールだった。TシャツGパンでお手振りのアンコールとは全く違うアンコールステージだった。

その選曲がもう本当にすごくて、ただ楽しいだけではなくて、ただ美しいだけではなくて、最後の最後にスッと棘を残されるような選曲。*2そして最後の曲のアウトロが残るなかでテミンさんは「愛してるよ!」と叫び、ステージから姿を消す。左右にあったTとIの形のセットが曲中に中央に寄って、それを門のようにして間にテミンさんが入るとTとIがひとつに組み合わされる。そして、アウトロの終わりにまた開くとそこにはテミンさんはいない。それがとにかく衝撃的だった。本編の最後にこの形はあったけど、アンコールの最後にこれは初めての経験だった。かつてない余韻のなかで明るくなる会場に思わず「終わり方のクセがすごい!」と大きな声で言ってしまったくらいすごい衝撃だった。アンコールもひとつの演目として強い意思を感じるステージだった。こんな作り方、普通ではしない。意思をもって作らなければこうはならない。その体感からずっといろんなことを考えずにいられなかった。

 

最近この世界に触れた身なのでテミンさんの10年のアイドル人生がどうであったかを知らなくて、だからすごく興味がある。

初めてのソロコンで武道館という会場を選び、あの360度ステージを作ったこと、そしてホールツアーで舞台のようなステージを作ったこと、どこに影響を受けてそうなったのかがとても気になる。韓国でもソロコンサートは開催しているけども、初めてに日本という場所を選んでいることについてもとても興味深い。ただの大人の意向とは思えない。

とにかく1曲たりとも何も考えられていないステージはなくて、セットをモニターとしてテミンさんを映している場合でも3箇所に3方向からの映像を映していたり、大きなモニターで映していた映像が鏡写しになっていたり…派手さではなくて、どれも曲の世界観のための演出。ダンサーさんも、バックダンサーではない。ダンサーさんが登場した時にその個性的な面々にまず衝撃を受けた。テミンさんよりもとても背が高い人もいれば、とても顔にも髪型にも個性が溢れている人もいる。そして全員揃いの衣装ではなく、それぞれの人にあった衣装を着ていた。ダンサーのクセが!って思っていたら、「あ、バックダンサーじゃないんだ、彼らも立派な登場人物だ……」と数曲のうちに思い知らされる。

 

パフォーマンス中のテミンさんの頭のなかには、ずっとステージ全体を映した俯瞰の映像があると思う。ステージ全体を見たときに自分がどこにいて、客席から見たときにどうステージ全体が見えているか、どこを見せたいか、が明確に頭のなかになきゃ出来ないものだった。多分、どれだけ情熱的なダンスをしていても、頭の2割くらいは冷静で、研ぎ澄まされた状態。だから思い返すとどれだけクセの強いパフォーマンスの曲でも「ナルシズムが溢れてる!」の感じた部分がない。多分どの場面でもナルシズムで満たされる余地もない。ただ、アンコール最後の曲で赤い衣装のテミンさんがセンターにいて手を掲げ、左右に白い衣装のダンサーさんが一緒に手を掲げ、ペンライトを掲げて振ることを求められて会場がそれに応えている時に急に「あ、そうだ、ここはイテミン教だった」って思った。あの瞬間ばかりは一神教の世界だった。それでその曲のアウトロでステージから消えるんだもんなぁ…敵わないよナァ……って思ってたんですが、実は曲が終わっても最後に門のように使ったセットの裏にずっと潜んでいるらしい。どういうことよ………

 

本当にすごい人だと思う。その会場で1番映える構成が考えられる人で、自分の思い描く表現がやりきれる人で、自分の思い描く表現をするための演出と共演者と衣装を選べる人なんだろうと思う。もちろん舞台監督とか、そういうスタッフはついているにしても、判断はテミンさんがしてるとしか思えない。誰かの選択をそのまま受け取ってるようには見えない。隅から隅まで血が通っていて、とてつもなく質の高いことを全部をやりきれる人なんているんだな………って思って、最終的に、「ちょっと意味わかんないんですけど」って気持ちになる。

多分、天才とか才能とかいう言葉で済ませるわけにはいかない想像を絶する努力がある。努力だけでどうにかなるわけでもないんだけど………

7月にあったペンミの映像を見ながら書いていますが、もちろん体に染み付いたパフォーマンスはしっかりしてるけど、表情がぼんやりとフワフワしてて面白い。テミンさんの選曲したブロックになったら急に表情がしっかりしたので、優先度であたまに入りきらず溢れたものはかなり溢れてたんだろなぁと思って人間らしさにホッとするくらい。あんな公演の準備してたらそりゃそうだ……となる。

グループはグループ、ソロはソロ、というドライな区切りがあるかというとそうでもない。だって、siriusツアーで発売しているペンライトは日本公式のSHINeeの基本色と完全に同色で光っていたから。*3ソロであってもSHINeeのペンライトで見たい人への配慮だと思う。あのミントグリーンに包まれるのが落ち着くのかもしれない。

 

テミンさんが、siriusというツアータイトルは「このステージが1番明るい星のように輝く時間になるように、共にそういう時間を作りたくて」というようなことを言っていたんだけど、本当に自分の人生のなかでも1番かもしれない余韻がある。圧倒的で強い強い眩しさ。本当にすごい時間だった。パシフィコ横浜という会場で見れてよかった。*4

 

そして、そんな余韻のなかキーくんがソロでの活動を始めるというニュースが。SHINeeとしてステージに立っている時でも溢れている彼の美学とこだわりがソロとしてのビジュアルやパフォーマンスやパッケージでどう表現するのか………興味深すぎるので楽しみです。

*1:https://youtu.be/T3H4_uy4-Qw

*2:あとで確認したらアンコール2曲が初披露のリリース前の新曲っていう。本編にも新曲たくさんあってトータル7曲が新曲ってわりと意味わかんないレベル

*3:日本と本国公式とは微妙に色味が違うことに今回始めて気づいた

*4:パシフィコ横浜は1階ほぼ最後方でもステージの足元まで見えるから素晴らしい。2階はわりと中腹から視界よくない。